2026.09.10
食物繊維は、穀類・豆類・いも類・野菜類・きのこ類・海藻類・果物類・種実類など、身近な食品に幅広く含まれる成分です。この記事では、食物繊維を多く含む食品を「100g当たりの量」だけでなく、「本記事で設定した1食分の目安量」に換算して紹介し、毎日の食事へ無理なく取り入れる方法まで解説します。
※本記事の食物繊維量は、文部科学省「食品成分データベース」に掲載されている日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の値をもとにしています。食品によってプロスキー変法とAOAC.2011.25法など複数の測定法による値が掲載されており、測定対象となる食物繊維の範囲が異なるため、本記事では食品間の比較条件をそろえる目的で、原則としてプロスキー変法の「食物繊維総量」を使用しています。食品の種類・状態・調理方法などによって数値は異なるため、目安としてご覧ください。
「食物繊維は野菜に多い」というイメージを持つ方も多いですが、実際には穀類や豆類、いも類、きのこ類、海藻類、果物類など幅広い食品に含まれています。まずは食物繊維の基本的な性質と、1日の目標量を確認しておきましょう。
食物繊維とは、人の消化酵素では消化されにくく、小腸で消化・吸収されずに大腸まで届く食品成分です。主に穀類、豆類、いも類、野菜類、きのこ類、果物類、海藻類などに含まれています。一方、魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれていません。肉や魚が中心で、これらの食品をあまり食べない食生活では、食物繊維を十分に摂りにくくなります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の食物繊維の目標量が年齢・性別ごとに次のように示されています。
| 年齢区分 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | 20g以上 | 18g以上 |
| 30~64歳 | 22g以上 | 18g以上 |
| 65~74歳 | 21g以上 | 18g以上 |
| 75歳以上 | 20g以上 | 17g以上 |
| 妊婦 | ― | 18g以上 |
| 授乳婦 | ― | 18g以上 |
目標量は年齢や性別によって異なるため、一律に「1日○g」と考えるのではなく、自分に該当する目標量を確認することが大切です。

食物繊維を多く含む代表的な食品を一覧で紹介します。ポイントは、100g当たりの数値だけで判断しないことです。乾燥海藻など、100g当たりでは多く見えても、実際には一度に少量しか食べない食品があります。そこで、食品の状態と、本記事で設定した1食分の目安量をあわせて示します。
| 食品名 | 状態 | 100g当たり | 1食分の目安 | 1食分の食物繊維 | 取り入れ方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 押麦 | 乾 | 7.9g | 約20g | 約1.6g | 白米に混ぜて炊く |
| オートミール | 乾 | 9.4g | 30g | 約2.8g | 朝食に |
| そば | ゆで | 2.0g | 200g | 約4.0g | 昼食などの主食に |
| ライ麦パン | ― | 5.6g | 60g | 約3.4g | 食パンの代わりに |
| 納豆(糸引き) | ― | 6.7g | 45g(1パック) | 約3.0g | 食事に一品追加 |
| いんげんまめ | 全粒・ゆで | 13.6g | 50g | 約6.8g | 煮物・サラダに |
| おから | 生 | 11.5g | 50g | 約5.8g | 卯の花などの副菜に |
| さつまいも | 皮なし・焼き | 3.5g | 100g | 約3.5g | 間食・副菜に |
| ごぼう | ゆで | 6.1g | 40g | 約2.4g | きんぴら・汁物に |
| ブロッコリー | ゆで | 4.3g | 60g | 約2.6g | 副菜に |
| 西洋かぼちゃ | ゆで | 4.1g | 80g | 約3.3g | 煮物に |
| 切り干し大根 | 乾 | 21.3g | 10g | 約2.1g | 煮物・和え物に |
| ほしひじき | 乾 | 51.8g | 5g | 約2.6g | 煮物・混ぜごはんに |
| カットわかめ | 乾 | 35.4g | 1g | 約0.4g | みそ汁・スープに |
| りんご | 皮つき・生 | 1.9g | 125g(約1/2個) | 約2.4g | 朝食・間食に |
| キウイフルーツ | 緑肉種・生 | 2.6g | 85g(可食部) | 約2.2g | 朝食・間食に |
| アボカド | 生 | 5.6g | 70g | 約3.9g | サラダに |
| アーモンド | 乾 | 10.1g | 25g | 約2.5g | 間食に |
※「1食分の目安」は、食事への取り入れ方をイメージしやすくするために本記事で設定した量です。公的機関が一律に定めた1食量ではありません。
例えば、乾燥カットわかめは100g当たり35.4gですが、1回に使う量を1gとすると約0.4gです。一方、ゆでそばは100g当たり2.0gでも、1食200gなら約4.0gになります。食品を比較するときは、「100g当たり」と「実際に食べる量」の両方を見ることが大切です。
穀類は日常的に食べる主食だからこそ、選び方を変えることで食物繊維を取り入れやすい食品群です。
押麦(乾)20gには約1.6gの食物繊維が含まれます。白米に押麦や雑穀を混ぜて炊く方法なら、新しい副菜を一品増やさなくても、主食から食物繊維を取り入れられます。配合や炊飯後の重量によって麦ごはん全体の食物繊維量は変わるため、商品表示や使用量も確認しましょう。
文部科学省「食品成分データベース」では、玄米ごはんは100g当たり1.4g、胚芽精米のごはんは100g当たり0.8g、精白米のごはんは100g当たり0.3g(いずれもプロスキー変法)とされています。食べ慣れていない場合は、白米と混ぜるなど取り入れやすい方法から試すとよいでしょう。
食パンは60gで約1.3g、ライ麦パンは60gで約3.4g、オートミールは30gで約2.8g、ゆでそばは200gで約4.0gの食物繊維を含みます。ごはんだけでなく、パンや麺類も含めて主食の選択肢を広げると、日々の食事に取り入れやすくなります。
豆類には、納豆、大豆、いんげんまめ、小豆、おからなど、食物繊維を多く含む食品があります。特に納豆や市販の蒸し豆、水煮豆などは、一品として加えやすい食品です。
例えば、納豆1パック45gで約3.0g、おから50gで約5.8g、ゆでいんげんまめ50gで約6.8gの食物繊維を含みます。乾燥豆とゆで豆では水分量が大きく異なるため、含有量を比較するときは食品の状態をそろえて確認しましょう。
いも類では、さつまいも、じゃがいも、さといもなどが挙げられます。さつまいもは、皮なしで焼いたもの100gで約3.5gです。主食、副菜、汁物、間食などさまざまな場面に取り入れられるため、蒸す、焼く、煮るなど、普段の食事に合う調理方法を選びましょう。
野菜やきのこは、食物繊維を含む代表的な食品群です。ごぼう、ブロッコリー、かぼちゃ、オクラ、切り干し大根などに加え、しいたけ、しめじ、えのき、まいたけなどのきのこ類も取り入れやすい食品です。
例えば、ゆでたごぼう40gで約2.4g、ゆでたブロッコリー60gで約2.6g、ゆでた西洋かぼちゃ80gで約3.3gの食物繊維を含みます。
生野菜はかさが大きく、一度に多く食べにくい場合があります。煮る、蒸す、炒める、汁物に加えるなど、加熱してかさを減らす方法も取り入れてみましょう。冷凍野菜や冷凍きのこ、切り干し大根などを常備しておくと、調理時間が限られている日にも使いやすくなります。
具だくさんのみそ汁やスープは複数の野菜・きのこを一度に取り入れやすい一方、汁物の回数や量が増えると食塩摂取量も増えやすいため、味付けにも配慮しましょう。
海藻類には、わかめ、ひじき、もずく、のりなどがあります。乾燥海藻は100g当たりの食物繊維量が多く見えますが、実際には一度に食べる量が少ない食品です。乾燥カットわかめは100g当たり35.4gですが、本記事で1回量として設定した1gでは約0.4gです。100g当たりの数値だけでなく、みそ汁やスープ、酢の物などに実際に使う量で考えましょう。
果物では、りんご、キウイフルーツ、バナナ、アボカドなどにも食物繊維が含まれます。果物は調理せず食べられるものが多く、朝食や間食に取り入れやすい食品です。ただし、ジュースなどの加工品では果実そのものと食物繊維量が異なる場合があるため、比較するときは食品の状態を確認してください。
種実類では、アーモンド、くるみ、ごまなどにも食物繊維が含まれます。ただし、種実類はエネルギー量も比較的高いため、食物繊維だけを理由に大量に食べるのではなく、普段の食事や間食の中で量を考えて取り入れることが大切です。
食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。ただし、食品を「これは水溶性」「これは不溶性」と完全に二分できるわけではなく、多くの食品には両方が含まれています。
また、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の摂取比率に目標量は設定されていません。どちらか一方だけを意識するのではなく、穀類、豆類、野菜、きのこ、海藻、果物など、さまざまな食品を組み合わせることを基本に考えましょう。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維それぞれの特徴や、多く含む食品については、別記事で詳しく解説しています。
また、食物繊維が腸内細菌にどのように利用されるのかなど、腸内環境との詳しい関係については、以下の記事で解説しています。
白米に押麦や雑穀を混ぜる、玄米や胚芽米を取り入れる、食パンをライ麦パンなどに変える、昼食にそばを選ぶなど、主食の選び方を変える方法があります。主食は日常的に食べるものだからこそ、一部を変えるだけでも食物繊維を取り入れやすくなります。
みそ汁やスープへ野菜、きのこ、わかめなどを加えると、複数の食品から食物繊維を摂れます。例えば、ゆでたえのき20gで約0.9g、乾燥カットわかめ1gで約0.4gです。
朝食や夕食に納豆1パックを追加すれば約3.0gの食物繊維を摂れます。調理済みの水煮豆や蒸し豆を利用して、サラダや副菜へ追加する方法もあります。
本記事で設定した量では、皮つきりんご125gで約2.4g、アーモンド25gで約2.5gの食物繊維を含みます。普段の食事とのバランスを考えながら、朝食や間食の選択肢として取り入れる方法があります。
自炊できない日でも、もち麦・雑穀入りのおにぎり、豆や海藻を使ったサラダ、納豆や豆類の小鉢、野菜やきのこの入った汁物、果物、そばなど、食物繊維を含む食品を選ぶ方法があります。毎日の食事を全面的に変えるのではなく、「今日は主食を変える」「副菜を一品加える」といった小さな工夫から始めると続けやすいでしょう。

上記は、各食品について本文中で表示した1食分の概算値を合計した例です。計算上は、30~64歳男性の目標量22g以上をわずかに上回り、成人女性の目標量も上回ります。ただし、これはあくまで一例であり、すべての人に22.8gの摂取を求めるものではありません。食事の適量は、年齢、性別、体格、活動量などによって異なります。
毎日この献立に合わせるのではなく、「主食を変える」「豆類を一品加える」「野菜・きのこ・海藻を組み合わせる」「果物や種実類を取り入れる」といった方法を、自分の食生活に合わせて取り入れることが大切です。食物繊維だけに注目して食事全体のバランスが崩れないよう、主菜やその他の食品も組み合わせましょう。
食物繊維は、穀類、豆類、いも類、野菜、きのこ、海藻、果物など、普段の食事から摂ることが基本です。一方で、外食が多い、食事を準備する時間が取りにくい、食べる食品の種類が偏りやすいなど、日々の食事だけでは取り入れにくいと感じる場合もあります。
そのような場合は、まず食生活全体を見直したうえで、食物繊維を含む健康食品の商品情報を確認し、補助的な選択肢として検討する方法もあります。健康食品を確認する際は、商品名やイメージだけで判断せず、次のような情報を確認しましょう。
白寿生科学研究所では、食物繊維に関連する商品として、クマザサ由来の不溶性食物繊維を使用した「ササロン」、海藻由来の水溶性食物繊維を使用した「アルカロン」、不溶性・水溶性の2種類を組み合わせた「ササロン・アルカロン顆粒」などを取り扱っています。
健康食品は普段の食事に置き換えるものではありません。まずは日々の食生活を基本とし、そのうえで原材料や栄養成分表示などの商品情報を確認して、選択肢の一つとして検討しましょう。
食物繊維は野菜だけでなく、穀類、豆類、いも類、きのこ類、海藻類、果物類、種実類など、さまざまな食品に含まれています。食品を選ぶ際は、「100g当たりの食物繊維量」だけでなく、食品が生・ゆで・乾燥などどのような状態なのか、実際に1回の食事でどのくらい食べるのかまで確認することが大切です。
食事を基本としながら、食物繊維を含む商品についても確認したい方は、以下の商品情報も参考にしてください。