2026.08.17
「食物繊維をとりましょう」とよく耳にしますが、食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があることをご存じでしょうか。この記事では、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い、それぞれを多く含む食品の例、毎日の食生活での意識の仕方をわかりやすく解説します。
水溶性・不溶性の違いを理解するには、まず「食物繊維とは何か」という基礎を押さえることが近道です。ここでは、食物繊維の位置づけと、総量・種類という2つの見方を整理します。
食物繊維とは、食品に含まれる炭水化物のうち、ヒトの消化酵素では消化されにくい成分の総称です。栄養成分表示では、炭水化物の内訳として「糖質」と「食物繊維」に分けて記載されることがあります。文部科学省の「日本食品標準成分表」でも、食品ごとの食物繊維量が示されており、食品成分データベースで誰でも調べることができます。
(参考:文部科学省)
食物繊維は、水に溶けやすい性質を持つ「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい性質を持つ「不溶性食物繊維」に大きく分けられます。同じ「食物繊維」という名前でも、性質や多く含まれる食品が異なるため、分けて理解しておくと食品選びの参考になります。
食品のパッケージにある栄養成分表示では、多くの場合「食物繊維」として総量のみが記載されています。一方、日本食品標準成分表では、食品によって水溶性・不溶性の内訳が確認できるものもあります。つまり、「どのくらい含まれているか(総量)」と「どんな種類が含まれているか(水溶性・不溶性)」は、別の視点で見る必要があるということです。
また、食品に含まれる食物繊維の種類や量はさまざまです。単一の食品だけで判断するのではなく、日々の食生活全体で考えることが基本になります。食物繊維の種類や含有量を意識したい方は、商品ページの栄養成分表示や原材料を確認する習慣をつけると、食品選びに役立ちます。
結論から言うと、2種類の食物繊維の大きな違いは「水に溶けやすいかどうか」という性質と、「多く含まれる食品」にあります。ここでは、それぞれの特徴を説明したうえで、違いが一目でわかるように整理します。
水溶性食物繊維は、水に溶けやすい性質を持つ食物繊維です。水に溶けると粘りのあるゲル状になりやすいという特徴があり、海藻類、果物、豆類、大麦などの穀類に含まれます。代表的な成分には、海藻に含まれるアルギン酸や、果物に含まれるペクチンなどがあります。
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい性質を持つ食物繊維です。水分を吸収して膨らみやすいという特徴があり、野菜、きのこ、豆類、穀類などに含まれます。代表的な成分には、植物の細胞壁を構成するセルロースなどがあります。
| 比較項目 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
|---|---|---|
| 性質 | 水に溶けやすく、ゲル状になりやすい | 水に溶けにくく、水分を含んで膨らみやすい |
| 多く含まれる食品の例 | 海藻類、果物、豆類、大麦など | 野菜、きのこ、豆類、穀類など |
| 食事で意識する場面 | 汁物・副菜・果物などで取り入れやすい | 主食・副菜・きのこ料理などで取り入れやすい |
| 表示で確認したい点 | 原材料に海藻・果物・大麦などがあるか | 原材料に野菜・きのこ・穀類などがあるか |
※豆類のように、水溶性・不溶性の両方を含む食品もあります。
「水溶性と不溶性、どちらを摂ればよいのか」と迷う方は多いですが、どちらが優れているというものではありません。2種類は性質も含まれる食品も異なるため、特定の食品に偏らず、いろいろな食品を組み合わせることが基本の考え方です。 なお、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の目標量(総量)として、成人男性でおおむね1日20〜22g以上、成人女性でおおむね1日17〜18g以上が示されています(年齢区分により異なります)。まずは総量を意識しつつ、食品の種類を広げていくとよいでしょう。
ちなみに、この目標量は「日本食品標準成分表(七訂)」相当の測定法にもとづいて設定された値です。食品成分データベース(八訂)で調べた数値とは測定法が異なり、八訂のほうが高く算出される傾向があるため、両者を単純に比較することはできない点に注意してください。水溶性・不溶性それぞれの食物繊維を含む食品には、健康食品として販売されているものもあります。原材料や成分を確認したい方は、商品情報も参考になります。

水溶性食物繊維は、海藻類・果物・豆類・大麦などの食品に含まれます。ここでは、具体的な食品例と、実際に選ぶときに確認したいポイントを紹介します。
水溶性食物繊維を含む食品としてよく挙げられるのは、次のような食品です。
海藻類にはアルギン酸などのぬめり成分、果物にはペクチンが含まれており、これらは水溶性食物繊維に分類されます。また、大麦に含まれるβ-グルカンも水溶性食物繊維の一種です。
同じ「水溶性食物繊維を含む食品」でも、含有量は一様ではありません。たとえば海藻は、乾物と水戻し後で100gあたりの数値が大きく変わります。果物なら、皮ごと食べるかどうかで量が変わります。穀類も、大麦は水溶性が比較的多い一方、玄米や全粒粉は不溶性が中心です。
このように、食品名だけでは判断できないのが食物繊維の特徴です。正確な数値を知りたい場合は、文部科学省の食品成分データベースで食品名を検索し、食品100gあたりの食物繊維量を確認しましょう。
加工食品や健康食品を選ぶ場合は、原材料表示を見ると「どんな素材に由来する食物繊維か」がわかることがあります。海藻由来なのか、穀類由来なのかといった視点で表示を見ると、水溶性食物繊維との関わりをイメージしやすくなります。
海藻由来の水溶性食物繊維は、健康食品の素材としても用いられているため、原材料や栄養成分表示を確認してみましょう。

不溶性食物繊維は、野菜・きのこ・豆類・穀類など、普段の食卓になじみのある食品に含まれています。ここでは食品例に加えて、無理なく食事に取り入れるための工夫もあわせて解説します。
不溶性食物繊維を含む食品としてよく挙げられるのは、次のような食品です。
不溶性食物繊維は、植物の細胞壁を構成するセルロースなどが中心で、野菜や穀類の「筋っぽさ」「歯ごたえ」に関わる成分でもあります。豆類は水溶性・不溶性の両方を含んでおり、日々の食事に取り入れやすい食材です。
野菜は生のままだとかさが多く、一度にたくさん食べるのが難しいことがあります。煮物やスープにして加熱すればかさが減り、同じ量でも無理なく食べられます。 切り方も食べやすさに影響します。ごぼうやたけのこのように繊維がしっかりした野菜は、繊維を断つように薄く切ると口当たりが変わります。切干大根や乾燥きくらげのような乾物は、少量でも戻すとかさが出るため、常備しておくと副菜に使いやすい食材です。
不溶性食物繊維を含む食品は、主食・汁物・副菜のいずれにも取り入れやすいのが特徴です。たとえば「汁物にきのこを加える」「副菜に切干大根やごぼうを使う」など、普段の献立に一品プラスする形なら、続けやすくなります。
主食を白米から玄米や麦ごはんに置き換える、パンを全粒粉のものにするなど、加工度の低い穀類を選ぶのも、献立を増やさずに済む工夫です。身近な食材のほかには、クマザサ由来の不溶性食物繊維を素材とした食品もあります。気になる方は、原材料などの商品情報をご確認ください。
ここでは「結局、どうやって食生活に取り入れればいいの?」という疑問に答えていきます。ポイントは、どちらか一方に偏らず、食事の場面ごとに食品の種類を広げていくことです。
水溶性・不溶性のどちらか一方だけを意識するのではなく、両方を含むいろいろな食品を組み合わせることが基本です。特定の食品ばかりに偏ると、食物繊維以外の栄養バランスも崩れやすくなるため、食生活全体を見渡す視点が大切です。
毎食を細かく計算するのは大変なので、食事の場面ごとにざっくり考えるのがおすすめです。
水溶性食物繊維は海藻・果物・大麦などに、不溶性食物繊維は野菜・きのこ・穀類などに含まれやすいという傾向があります。つまり、食品の種類を増やすこと自体が、結果として2種類の食物繊維を幅広くとることにつながります。
短期間だけ頑張るよりも、無理のない範囲で続けられる工夫を優先しましょう。食事だけでは意識しにくい場合には、栄養成分表示を確認したうえで、食物繊維を含む食品や健康食品を選択肢の一つとして検討してみてもよいでしょう。
食物繊維の知識は、実際の生活場面に落とし込んでこそ役立ちます。ここでは、忙しい朝、外食が多い日、コンビニで食事を選ぶときの3つのシーン別に、意識しやすいポイントをまとめました。
朝食を簡単に済ませる方は、次のような工夫が取り入れやすくなります。
外食では、単品メニューよりも定食スタイルを選ぶと、副菜や汁物で野菜・海藻・きのこを取り入れやすくなります。麺類なら具材の多いメニューを選ぶ、サイドメニューでサラダや小鉢を追加するなど、組み合わせで考えるのがポイントです。
コンビニでも、もち麦入りのおにぎり、海藻サラダ、豆のスープ、カットフルーツなど、食物繊維を含む食品は幅広くそろっています。商品を選ぶ際は、パッケージ裏面の栄養成分表示で食物繊維量を確認する習慣をつけると、比較がしやすくなります。
毎食完璧を目指す必要はありません。「主食を一工夫する」「副菜を一品足す」といった小さな選択肢をいくつか持っておくと、忙しい日でも食物繊維を意識しやすくなります。食事だけでは不足しがちと感じるときは、食物繊維を含む食品や健康食品をうまく組み合わせるという考え方もあります。
日々の食生活で食物繊維を意識したい方は、以下の商品情報も確認してみてください。

食物繊維を含む健康食品を検討するときに大切なのは、イメージではなく表示や商品情報を確認することです。ここでは、栄養成分表示・原材料・目安量など、選ぶ前にチェックしたい項目を整理します。
健康食品やサプリメントを検討する場合、最初に確認したいのは栄養成分表示です。1日あたりの目安量に含まれる食物繊維量が示されていれば、普段の食事とあわせてどの程度になるかをイメージできます。消費者庁の資料でも、栄養成分表示は食品を選ぶ際の情報源として活用することが推奨されています。
(参考:消費者庁)
原材料表示を見ると、どのような素材に由来する食物繊維かがわかることがあります。たとえば、海藻由来であれば水溶性食物繊維、クマザサや穀類由来であれば不溶性食物繊維と関連づけて考えることができます。公式サイトの商品説明で、水溶性・不溶性のどちらに関連する商品かが説明されている場合は、あわせて確認しましょう。
商品を比較する際は、次の3つの観点で確認していくと整理しやすくなります。
1日あたりの目安量から見る
内容量から見る
続けやすさから見る
健康食品やサプリメントは医薬品ではなく、あくまで食品です。基本は毎日の食事で多様な食品からとることを土台とし、健康食品はその補助的な選択肢として位置づけましょう。検討する際は、公式サイトの商品情報・原材料・栄養成分表示を確認したうえで判断することが大切です。
記事で解説してきた水溶性・不溶性という分類は、実際に販売されている商品の情報を見るときにも役立ちます。ここでは、由来する素材が異なる2つの商品を例に、商品情報の見方を紹介します。
ササロンは、国産クマザサの粉末を主原料とした「クマザサ粉末加工食品」です。北海道・大雪山系のクマザサを原料に、ガラクトオリゴ糖などを配合した粒タイプで、1957年の発売から60年以上続くロングセラー商品です。1日の目安量30粒(5.4g)あたり食物繊維2.9gが含まれています。
アルカロンは、カジメ・ヒジキ・ワカメ・アラメ・のりといった海藻の混合粉末を主原料とした「海藻粉末加工食品」です。海藻を微粉末化し、ガラクトオリゴ糖や難消化性デキストリンなどを配合した粒タイプで、発売は1965年にさかのぼります。1日の目安量30粒(5.4g)あたり食物繊維2.8gが含まれています。
これまで解説したとおり、水溶性・不溶性の食物繊維は性質や由来する食品が異なります。ササロンとアルカロンには、2種類をあわせて確認できるセット商品や顆粒タイプもあります。商品を検討する際は、この記事で紹介したチェックリストを参考に、原材料や栄養成分表示を確認してみてください。
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性は海藻・果物・豆類・大麦などに、不溶性は野菜・きのこ・豆類・穀類などに含まれやすいという違いがあります。
大切なのは、どちらか一方に偏るのではなく、食品の種類を広げながら食生活全体で意識することです。主食・副菜・汁物・間食といった場面ごとに小さな工夫を積み重ねれば、無理なく続けられます。
食物繊維を含む健康食品を検討する場合は、イメージだけで判断せず、栄養成分表示・原材料・内容量・1日あたりの目安量といった商品情報を確認する姿勢が大切です。ササロン(クマザサ由来の不溶性食物繊維)、アルカロン(海藻由来の水溶性食物繊維)についても、公式ページで商品情報をご確認いただけます。